更新日:1999年1月28日

前半で見極めるその男



ファーストデイ(公開初日)のその日、セカンドショーのチケットを手に入れる為に門の外で待っています。
公開が21時半から。今は19時半です。チケットの売り出しは20時からというお話。
でもそれもいい加減なので油断できず、門の外で待っています。
当然、バルコニーは売り切れのSOLD OUT。
当日券のセカンド(席)チケットに賭けるのです。
同じようなチケット待ちの連中が続々と集まっています。
だいたいこの時間にチケットを買いに来るのは男性ばかりです。
女性は知り合いの男性が買いに行くか、すでにバルコニーをとってます。

今ごろ、ファーストデイファーストショーが行われています。
映画館を見ると、ロビー辺りでたくさんの人々がわらわらとしています。
Intermissonの時間のようです。

するとその時、閉じた門の中から一人の男が出てきました。
男はパァと開いた手を挙げ首を傾げました。
「−だ−めだっ。お前ら見ない方がいい。損する。家にいた方がマシだ。」
そう言って男は去っていきました。

要するに、映画の前半だけ見て「こりゃつまらん」と出ていったのです。

「おいおいおい、つまんないんだってよ」と、周りでざわめきます。
かと言って、映画をあきらめるヤツなんかいないんですけどね。

しっかし、男は何を見たのであろう。
そして、ファーストショーの人々は何を見ているのであろうか??
そそそんなにヒドイのか?期待作なのに。

そもそも後半を見ないとわからないじゃないかっ。
インド映画はインターバル以降、物語を180度ガラッと変える事だって少なくないぞ。
アレコレアレコレ。

せっかくお金を出して見るんだから最後まで見なくていいのか?
いや、それは貧乏性の私だけ?
男は映画がそもそも好きではないのだろうか?
なんか用事があって最後まで見れないもんだからスネてんじゃないのか?
いや、男は映画を愛するあまり、出来の悪い映画を見るに耐えられなくなったのだろうか?
いや、愛するんだったら最後まで見るべきだ。
いや、それは観客としての自由だ。
いずれにせよ僕らもそれを確認するのだ。

男は何を求めているのだろうか。。。。

あっと、あれこれと考えているうちに、
閉じられていた門が今開きます!
チケット待ちの連中は一斉にダーッと走り出しました!
そりゃあ、負けずにチケットカウンターに走れえーっ!!


つづく
P.S.映画は面白かったです。未だ男が出てきた理由が分かりません。。。。


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