マサラムービーではないけどインド映画


更新日:1999年3月7日

まず,面白かったです。
出逢えたのは「Kaun」という映画です。

制作スタッフも言ってますが,この映画が受け入れられるかどうかは人によってさまざまですね。
歌もない,踊りもない,いわゆる普通のマサラムービーではありません。
マサラスピリッツとはなんぞやという場合,必ずしも歌と踊りに依存するわけではないと思いますケド;;
当然,歌と踊りを見に来ている人は不満足でしょう(笑)

嬉しいのは、ゼロから今回の映画がインドで作られたという事です。
娯楽映画は,映画館で観客がスクリーンを通してハラハラワクワクドキドキできればいいと思うんです。
必ずしも人を感動させる物語ある必要はないと思うんですね。
今回の場合は,これまでの歌や踊りとか制作手法にとらわれず, スクリーンの前の観客を如何にハラハラワクワクドキドキさせるかという根底にたって映画をつくれる人達がいるんだと知る事ができました。
それが、芸術映画とかドキュメンタリーとか英語とか海外向けいう枠でなく、他の娯楽映画と肩を並べているのがいいなあと思います。
また普通の娯楽映画に慣れた人達が,いつもの映画館で今回の映画を見てみる。
それは,マサラムービーではなくともしっかりインド映画なんだと感じました。

「Kaun」は、昨年「Satya」でヒットを放ったラムゴパールパルマ監督の新作です。
この監督の最近の作品は、「DAUD」「Satya」とどの映画も題材が異なります。
今度はサスペンスです。

奇遇にも、現在日本でもコワイものブーム。なぜ今回、サスペンスが選ばれたのでしょうね。

その選択は,公開前にTVで流れる映像に一部からは企画ヨシ、でも実際ダメかそこそこが予想なのでした。
一方でその予想を裏切ってほしいという期待も勿論ありました。
で、今回僕は満足でした!

今回の映画では無駄な設定は排除され,各要素はしぼられ、監督の武器ともいえる、ウルミラ、マノジバジパイの演技で構成されています。
それは演劇的でもあります。

TVゲームに「Dの食卓」という,これまたサスペンス的なゲームがあります。
前半はその感覚にものすごく近いと感じました。
少しずつ、少しずつ部屋の一つ一つが、いろいろな角度で映し出され舞台が広がっていきます。
同時に観客も、登場人物や舞台の環境が一つ一つ理解が広がっていきます。
それはゲーム的でもあります。

この映画では「音」が大きな役割をもちます。
人によっては少々過剰な音の演出にイヤな感じがするかもしれません。
でもまあインド娯楽映画ではよく聞くと効果音がバリバリでてます。
単純な「音」の演出が単純に恐かったです。
音は見る者の想像によって楽しみが2倍も3倍もなります。
じゃあ、あの効果音は何を意味してるかとか映画の後で考えるのもオツなものです。
僕はヒロインの心理描写かと解釈したのですけど。。オーコワッ。

「Kaun」を通して自分自身も楽しみましたが,
あそこのサリーのおばちゃんとかどんな風に感じたんだろうなあとか気になったりしました。
どうであれ、インドの映画館に新しい風が舞い込んだのは事実だと思います。
ラムゴパールバルマ監督の次なる作品が楽しみです!
そして今後のインド映画も色々なものが出て来るんでしょうね。
マサラどっぷりのものもそうでないものも、
お互い影響し合ってもっともっと面白いものもってこんか〜いぃ!待ってるゼぇぇ。
何でもいいです。面白ければっ!

インド映画としての最後の砦は、実は「インターミッション」かも知れません(笑)
えっ,じゃあプツッと切られるハリウッド映画もインド映画なの?
そ、それは。。だってコーラとチップス買いたいし;;;

つづく。


[メインの頁へ]

ご意見、ご感想は こちらまでよろしくお願いします。
[ インド映画を ]
見に行こう!