このページは半分、楽しい反論でもあります。
このページをお読みになる前に、こちらのページをお読みになる事をお勧めします。
その後は、「戻る」ボタンで戻ってきて下さいね。あ、はい、そのままどっか行っちゃっても自由です;
快くリンクを承諾して下さったVinayさんに感謝!(現在、寄稿として当頁に頂きました。Nov.1998)
こんな風に同じ映画でもそれぞれが色々と感じるのが楽しさですね。
で、なぜマハラジャは意欲作か?
「マハラジャ」を見終わった後、普通のヒンディ映画とは違った印象を受けました。
それはこれまでインドで見てきた映画とはまた違った新しいカンジです。
マハラジャにまだ出遭っていない方の為にまず簡単なあらすじ。
とある自然に恵まれた地の領主?の家庭に生まれる主人公。
彼は天から光を授かると共に誕生し、超常の力(動物達と理解合い、またその眼光は鉄をも溶かす!)を持っています。
幼くして将来が期待され、家族に温かく幸せに暮らしていました。
ところが、領地に目をつけた一味の突然の襲来。
家族は殺され、幼い主人公だけがなんとか逃げ延びます。
その後、主人公は勇ましい青年?へと成長。
鷹と愛馬と共に今日もゆく。
TV取材者として彼を探すヒロインとの出逢い。
自分自身の出生、家族の悲劇を知る主人公。
そして、領地の人々の解放と家族の復讐に立ち上がるのです。
共に戦う仲間達、そして動物達。
果たして如何なる結末が待っているのかっ!
と結末がお決まり(笑)のお話です。
このように話を追うと、何も珍しい話ではありませんが、インドでは珍しい気がします。
なぜならこのような少年冒険活劇は少ないからです。
近年の子供を対象とした映画では「チョータチェタン」がありますが、
お話と主人公達は、小学校(プライマリスクール?)低学年より下のものです。極端すぎる。
インド映画では、単純なヒーローものであってもそれらは、若者以上を対象としたものであり、また映画自体若者以上の大人のものである傾向があるように見えます。
それは、インドの社会環境も大きく影響しているようにも思えます。
サービスの行き届いた先進国のように、各年代毎の作品が生産されるような環境ではないと思うのです。
一方、ハリウッド映画などでは、こういった少年冒険活劇が大人にも楽しめるものとしてたくさんの作品が生み出されています。
冒頭でお話した違和感。
それは正しくハリウッド映画等で生み出される少年冒険活劇と同じ匂いなのです。
だから、マハラジャの中ではたくさんのハリウッド映画のエッセンスや似た映画を思い出させます。
ポスター等では「インディジョーンズ」、動物とお話する所は「クロコダイルダンディー」、
他にも 「ジョージオブザジャングル」「ピーターパン」等など。
またこれらは、日本ではマンガとして慣れ親しまれているエッセンスであるとも思います。
もう一つ、インドの環境で重要な事があります。
「カトゥーンはウケない」
ただでさえ、子供の頃から腰をふって踊る男女の熱いラブストーリーに慣れた観客達です。
お子様用に作られた作品は例え技術を持ってしてもウケません。
ハリウッド映画「トイストーリー」が一週間で終わったと聞いてショックを受けた事があります。
これらに対するお話はまた別の機会に。
こういった環境下、ヒンディ映画として製作された少年冒険活劇「マハラジャ」は意欲作と思うのです。ハリウッド映画と同じ土俵でやろうってんだから!
ちなみに、最近の青年活劇?は「GHURAM」ですね!
さてさて、ハリウッド映画と同じ土俵でやろうってんだから大変です(笑)
ましてや、カトゥーンがウケない環境。
その土俵では大量な競争作品の中で製作され、最新の技術と巨額の製作費がつぎ込まれます。
観客の目も肥えて、ちょっとやそっとでは驚かなくなっていると思います。
かといって、マハラジャが勝ちにいっているとも思えませんが(笑);;;
だから、「マハラジャ」を見た人の意見が貧弱な映画だと表したとしても、それは良くありそうな普通のもっともな意見でしょう。
というか当たり前すぎて、ちっとも面白くありません。
あえて(ホントか?)行っている、製作スタッフの勇気を賞賛したい。
ところがっ!僕は、マハラジャを楽しめたのです。
それは単にインド映画を愛するオタクだからという理由だけではないと考えています。
ちょっと長くなってしまったので、また次回その魅力を思い返してみたいと思います。
[ | インド映画を | ] |
見に行こう! |